巴里(仏)旅行 その②
パリ2日目。
今回の旅行の目的のひとつ、「ヴェルサイユ宮殿」へやってきました。
ルイ13世の狩猟の館だった建物を、ルイ14世が増築し西洋建築史に残る華麗な宮殿となりました。
余談ですが、西洋建築史の流れと代表建築物を簡単に紹介しておきます。
〇古代エジプト / ギザの三大ピラミッド(B.C2600)
〇ギリシャ / パルテノン神殿(B.C432)
〇ローマ / コロッセウム(A.D80)
〇ビザンチン / サン・マルコ大聖堂(1090)
〇ロマネスク / ピサ大聖堂(1118)
〇ゴシック / ノートルダム大聖堂(1250)
〇ルネサンス / フィレンツェ大聖堂(1420)
〇バロック / ヴェルサイユ宮殿「増築」(1661)
ベルサイユ宮殿と同じバロック様式(絵画や彫刻なども含めた装飾で、華麗さ劇的さを演出する建築様式)の建築物としては、ヴァチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂(1667)などが有名です。
同時期の日本の代表的建築物に、桂離宮(1620)や日光東照宮(1636)などがあります。
宮殿を背に振り返ると、広い道路を挟んで2棟の大きな建物が見えます。
なんと、当時の「馬小屋」だそうです。
こちらが宮殿正面です。
金がふんだんに施され、とても豪華です。
建物中央部にルイ14世の寝室があったようですが、どの季節でも日の出の光が当たるように計算され、周辺の道路や建物が計画されたようです。
宮殿内部、こちらはルイ16世とマリーアンドワネットの結婚式が行われた礼拝堂です。
天井の絵画や彫刻など、至る所にバロック様式の特徴が伺われます。
礼拝堂のオーダー(基壇から柱頭部までの構成形成のこと)は、最も華麗で繊細といわれるコリント式(柱頭がアカンサスの葉を模している)が採用されています。
こちらがブルボン王朝「黄金時代」の中心、「太陽王」とよばれたルイ14世の肖像画です。
こちらがブルボン王朝「悲劇の国王」、ルイ16世の肖像画です。
ヴェルサイユ宮殿の中で最も豪華で有名な「鏡の回廊」です。
回廊幅約10m、長さ約75mあり、一面の大きな窓と対側に貼られた同じ大きさの鏡が、室内を明るく広く感じさせます。
こちらが幾何学式庭園です。
この角度ではわかりにくいのですが、宮殿からまっすぐに通った道を中心に、幾何学式模様がシンメトリーに配置されています。
ヴェルサイユ宮殿は、建物から庭園の隅々まで繊細且つ華麗で、大変感動しました。
こちらは宿泊したホテルです。
古い建物ですが、最近リフォームしたとの事でしたので、「英・米に次ぐ住宅長寿国、フランスのリフォームクォリティ調査」にはぴったりだと考え、とても楽しみにしていました。
さっそく、調査開始。
おっ、ドアのノブが傾いている。
ちょっとしたミスでしょうか。
まぁ使用上影響はありませんね。
こちらが水回りです。
トイレの横のタイルに開口した跡があります。
浴室の配管のつなぎ替えの際に、開口したのでしょう。
タイルは再利用されたようですね。
日本では、点検口の枠などを利用して目立たないように考慮しますが、こちらはあまり気にしないのでしょうか?
浴室タイルの入隅部。
コーキングが途中で切れています。
切れているというより、途中でやめた感じですね。
材料か気力がなくなったのでしょうか?
どちらにしても、この仕上りは理解できませんね。
天井です。
ケイカル板のような素材ですが、☆印の三枚だけ明らかに模様が違います。
これで施主検査が通ったのでしょうか?
こちらは洗面台です。
照明器具の横にコンセント。
この位置のコンセント、背の低い方や子供は届きませんね。
少し考えればわかる事です。
こちらはシャワーヘッド。
金具の固定が向かって左側でヘッド固定部が少し斜めに取り付けられています。
この状態で蛇口をひねると、水圧でヘッドが動きシャワーの水が少し右側方向へ放水されます。
よって右側あるトイレや洗面の床は水浸しになります。
この金具の特性を考えれば、もっと左側(太矢印)方向へ移動すべきです。
よく見ると、金具の上(タイル)に2か所のビス穴がありますので『以前の金具の近くに取り付けていればいい』という安易な気持ちで施行したのかもしれませんね。
驚愕はこちら。
ペーパーホルダーの位置。
どうやって使うのでしょう?
全く理解できません。
壁から水平方向に1m程度の壁を起こして、そこにペーパーホルダーを設置すればいいだけです。
起こした壁を工夫すれば、トイレットペーパーを収納するボックスにもできるでしょう。
このリフォームには、利用する側の事を思いやる繊細さが感じられません。
う~ん、時代や金額の違いはあるとはいえ、あの華麗で繊細なヴェルサイユ宮殿を造った人々と同じ国の人がした施工とは思えませんね。
弊社のリフォーム物件でこのクォリティでしたら、間違いなく検査に合格しません。