巴里-仏 旅行 その③
パリ3日。
明日の早朝に帰国するため、実質は本日が最終日。
今回の旅行で最も訪れたかった場所『ノートルダム大聖堂』です。
『ノートルダム大聖堂』といえば、「初期ゴシック建築」、「双棟形式の正面ファザード」、「リブ・ヴォールト」、「フライング・パットレス」、「ラテン十字の平面プラン」etc.
これは、建築士試験の時に受験生が呪文のように唱えて暗記する建物の特徴です。
写真は特徴のひとつ、「双棟形式の正面ファザード」です。
ノートルダム大聖堂は、1250年に建築されたゴシック建築の代表的な建物です。
同時期の建築物としては、『ミラノ大聖堂』(イタリア)なども有名です。
日本では鎌倉時代で、時代は少し遡りますが1199年に『東大寺 南大門』が建築されています。
写真は、正面の外壁部分ですが、施された彫刻の繊細さには驚かされます。
大聖堂の内部 祭壇の写真です。
天井が高く、ステンドグラスや・・・、
残念ながら、私の持つボキャブラリーで表現することはできませんが、とにかく素晴らしかった。
時間の経過を忘れ、しばらくの間茫然と眺めていたように思います。
しばらくしてから、冷静に建物の構造を見てみました。
ゴシック建築の大きな特徴として、ロマネスクまでの建物に比べ、大空間が造れるようになったことが挙げられます。(西洋建築史の流れは前回のブログをご参照ください)
天井を支える「リブ・ヴォールト」と呼ばれる梁により、今まで壁に掛けていた加重を、分散させることができるようになりました。
こちらの模型の赤で囲った部分が、リブ・ヴォールトからの加重を受ける「フライング・パットレス」(斜めから支持する梁)です。
こちらが外から見た「フライング・パットレス」です。
階段で上に登れば、もっと近づいて見れるのですが、ここに来てから既に数時間経過しており、同行していた妻が飽きている様子でしたので今回は断念。
「リブ・ヴォールト」と「フライング・パットレス」により、加重を壁に掛ける必要がなくなったので、壁に大きな開口が造れるようになりました。
その結果、大聖堂の三方に壁一面の大きなステンドグラス(バラの窓)が設置されています。
ノートルダム大聖堂の建築プロセスが展示されているブースもありました。
説明が日本語だったらありがたかったのですが・・・。
『ノートルダム大聖堂』を見た興奮さめやらぬ状態で、次の目的地「コンシェルジュリー」に来ました。
フランス革命時に牢獄として使われていた建物で、マリーアントワネットが収容されていた事で有名です。
余談ですが、フランス語でコンシェルジュとは「アパートなどの管理人」を意味しますが、もともとは「門番」のことだったようです。
マリー・アントワネットが、処刑まで一人で過ごした独房を再現した部屋です。
昨日訪れた豪華な「ヴェルサイユ宮殿」からこの独房へ、そして処刑台へ。
マリー・アントワネットだけでなく、フランス革命により約2600人が処刑されたそうです。
最後の目的地、「エッフェル塔」です。
個人的に興味はありませんでしたが、記念ですのでエレベーターで上がってみることにしました。
こちらがエッフェル塔からセーヌ川周辺を撮影した様子です。
古い建物の多さと建物の高さが統一されている事に驚きました。
そういえば、ナポレオン3世が都市計画に力を注ぎ、凱旋門よりも高い建物を建てないようにしていたという事を以前何かの本で読んだ気がします。
(真偽は定かでありません・・・)
エッフェル塔から眺めるパリの街は、意外に(?)良かったです。
こちらはライトアップされたエッフェル塔です。
翌朝、パリの街を後にしました。
当初の設定した旅の目的
■ 西洋建築史に代表される建築物の見学
ゴシック様式を代表する「ノートルダム大聖堂」
バロック様式の最高峰「ヴェルサイユ宮殿」
■ 現在のフランスの住宅事情
英・米に次ぐ住宅長寿国、フランスのリフォーム
クォリティ調査
については、全て無事にクリアでき、とても充実した旅になりました。
明日からは、日常の生活に戻りますが、パリで見たものや感じた事、考えた事は、きっと今後の仕事の糧になると思います。
来年はどこに行こうかなぁ。<了>