新築一戸建宝塚市 レスピラーレ仁川高丸 大工工事完了
10月28日に上棟したレスピラーレ仁川高丸の大工工事が完了しました。弊社では大工工事完了時に、設計監理者と共に施工状況の検査を行います。
検査で最も重視する項目のひとつは、建物の傾斜です。
しかし建築基準法では、建物の傾きについて明確に規定がありません。よって傾きが発生した際に是正する必要があるか否かの判断は非常に難しいといえます。
建物傾斜の目安としてよく利用されるのが『住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準』<平成十二年七月十九日建設省告示第千六百五十三号>の規定です。
第3 各不具合事象ごとの基準
1 傾斜(木造住宅の壁又は柱、床)
3/1000未満の勾配 ・・・構造耐力上主要な部分に瑕疵が
存在する可能性が低い。
3/1000~6/1000の勾配 ・・・構造耐力上主要な部分に瑕疵が
一定程度存する。
6/1000の勾配 ・・・構造耐力上主要な部分に瑕疵が
高い。
この規定により、私の所属する協会も含めインスペクション(建物調査・診断)では、6/1000の傾斜を瑕疵の判断目安として採用している団体が多いようです。
弊社の新築住宅では、最も厳しい基準3/1000未満(構造耐力上主要な部分に瑕疵が存在する可能性が低い)を施工誤差の目標値に定め検査を行っています。
検査では、左上の写真にある黒い機材、オートレーザーを利用します。オートレーザーのスイッチを入れると、写真のように縦と横の2本のラインが壁に照射されます。縦のラインが垂直、横のラインが水平をあらわしています。
垂直な縦のラインは、壁や柱の施工精度を、水平な横のラインは、床の施工精度を検査する際に利用します。床は傷や汚れ防止のために養生しているので、この時点では壁(柱)の検査のみを行います。
検査方法は、オートレーザーの縦ラインを壁の入隅・出隅部(角)などに照射し、床から天井までにズレがないかを目視で確認していきます。
1枚目の写真は2階廊下のホール部分、2枚目の写真は階段吹抜け部、3枚目は玄関部分の壁の様子です。
この検査を全ての壁、建具、窓で行いましたが、弊社の施工基準を上回る傾斜は見受けられませんでした。
今回の検査で重視するもうひとつの項目は床下の施工状況です。
写真は床下の様子です。
床裏のグラスウール(断熱材)が隙間なく適切に施工されていることがわかります。
大引きを支える鋼製束に固定不良がないことも確認致しました。
床下の掃除も行き届き、清潔に保たれていました。
床下に木屑などを放置しておくと、シロアリ発生の原因にもなりますので、床下を清潔にしておくことはとても大切です。
こちらは床下の排水管です。
排水管の上に水平器を置き、気泡の位置で勾配が適切に確保されていることを確認致しました。
こちらは給水管(グレー)と給湯管(赤)です。
ウォーターハンマー防止のため、管は適切に固定されていました。
※ウォーターハンマーとは、給水管を流れる水を急停止させた際に発生する衝撃のこと。放置すると衝撃で配管や継ぎ手が損傷することもあります。
今回の自主検査では、施工不良もなく、とても満足のできる仕上がりとなっていました。
施工中には何度も現場で打合せをさせて頂き、細部の納まりまで弊社の要望に快く対応して頂いた大工さんに心から感謝しています。