新築一戸建宝塚市 レスピラーレ仁川高丸 設計思考(室内換気編)
人が快適に生活する上で、室内温度はとても重要な要素のひとつといえます。レスピラーレ仁川高丸では、お住まいになる方が快適に生活して頂けるよう以下のことに配慮しています。
1)適切な場所に適切な方法で断熱材を施工すること
2)空気の特性を理解した上で間取を企画すること
「適切な場所に適切な方法で断熱材を施工すること」については、2014/11/29(断熱工事)ブログにてご紹介しておりますのでご一読ください。
今回は「空気の特性を理解した上で間取を企画すること」についてご紹介します。
まずは写真の高窓です。床から約3mの箇所に設置されています。一見、「採光用の窓かな?」と思いますが、実は室内換気において重要な役割を担っています。
空気には「冷たい空気よりも暖かい空気の方が軽い」という特性があります。そのため室内では、左のイラストのように暖かい空気が上昇していきます。
このような温度差による特性を利用した換気を「重力換気」といい、その換気量(Q)は次式で求めることができます。
Q=αA√2gh{(ti-to)/(273+ti)} 【㎥/sec】
α:流量係数 A:実開口面積 g:重力加速度 h:上部開口と下部開口との高さの差 ti:室内空気の温度 to:室外空気の温度
この公式から、温度差による換気量は上部開口と下部開口との高さの差(h)の平方根に比例することがわかります。
室内の開口(窓)の高さの差が大きい方が換気量(Q)が増える、つまり換気効率が良いことがわかります。
リビング吹抜け部の高窓を夏季に開放して頂くと、室内の風通しが良くなり、快適な環境を保つことができます。
こちらは、1階和室の窓に設けられた給気口です。
2003年の建築基準法改定に伴い、24時間換気システムが義務化されました。しかし残念なことに、24時間換気の意味をご存知ない方や誤って理解されていることが多く、あまり有効に利用されていないようです。
24時間換気システムを理解するためには、まずは室内空気の特性を理解しなければなりません。
室内の空気を強制的に排気すると、排気された空気と同じ重さの空気を外から室内へ取り入れようとします。この特性を利用した換気システムが24時間換気です。
24時間換気では、洗面や浴室に設けられた換気扇から、常時微量の空気を排気しています。そして上の写真にあるように各居室の窓に設けられた給気口から同じ重さの空気を微量に給気しています。
このシステムにより、常に各居室には新鮮な空気を採り入れることができます。
このように機械で排気し、自然給気を行う換気法を「第3種機械換気」といいます。
住宅では、24時間換気システムの他に、もう一つ機械換気が取り付けられています。それがキッチンの換気扇です。
24時間換気が室内空気を微量に排気するのに対し、キッチンの換気扇は調理時に発生するの臭いや煙を排気すると同時に、大量の室内空気も排気してしまいます。そのため、各居室に設けられた給気口から大量の外気が流入し、快適に保たれた室温が一挙に損なわれてしまう恐れがあります。
レスピラーレ仁川高丸では、そのような状況にならないように換気扇付近に勝手口の開口を設け、換気扇により排気された大量の空気を全て勝手口から給気することにより、他の室内環境を損なわないようにしています。
余談ですが、室内の排気量に対し給気量が少ないと、気圧がさがり窓が空きにくくなったり、笛吹音が鳴ったりというような現象が発生することがあります。