新築一戸建枚方市 レスピラーレ津田駅前B号地 基礎工事②
前回、深基礎部分のコンクリート打設が完了しましたので、次の工程「べた基礎のベース部分の施工」へ移ります。
写真は、ベース部分の捨コンが完了した状態です。
地面の湿気を基礎内部へ浸透させないため、防湿シートを敷きこんだのちに、捨コンを打設しています。
写真の半透明部分が防湿シートです。
捨コンを打設した後、基礎ベース部分の鉄筋を施工をしていきます。
配筋検査の状況をご覧頂く前に、簡単に鉄筋コンクリートについてご紹介します。
皆さんが良くご存知の鉄筋コンクリートには、2つの大きな特徴があります。
・圧縮強度(押さえつけられる力)に強いが、引張強度(引っ張られる力)に弱いコンクリートの内部に鉄筋を配置することにより、引張強度に対しても強い構造体となります。
・錆びると強度を失う鉄筋をアルカリ性のコンクリートで包むことにより、酸化を防ぎ錆びにくい状態を保ちます。
上記のように鉄筋とコンクリートは、互いの弱点を補い合い良い状態を保つ関係になっています。
勿論、適切な施工をされてこそ、このような理想的な関係が保てるわけですから、基礎配筋検査は、とても大切な検査のひとつです。
そこで弊社の物件では、保険会社の検査員、現場監督、設計監理者及び弊社の現場担当者の計4人で配筋検査を行います。
写真は設計監理者が検査を行っている様子です。
こちらは、ベタ基礎のスラブ部分の基礎配筋を確認しております。
図面に記載のとおり、200mmピッチで配置していることを確認しました。
基礎立上りの配筋を確認しております。
図面に記載のとおり、200mmピッチで配置していることを確認しました。
基礎のかぶり厚を確認している様子です。
前述のとおり、アルカリ性のコンクリートで鉄筋を包むことにより、鉄筋が錆びることを防止しているため、建築基準法で鉄筋を包むコンクリートの厚みを厳密に規定しています。その厚みを『かぶり厚』と呼び、各部位によってその厚みは異なり、基礎のかぶり厚は60mmとされています。
本件では、『サイコロ』とよばれる厚さ60mmのスペーサーを鉄筋の下に敷くことにより、必要なかぶり厚を確保しています。
『サイコロ』は、1.0m程度の間隔で均等に配置していきます。
サイコロがバランスよく配置されていることが確認できました。
写真ではわかりにくいですが、「サイコロ」の設置向きが誤っており、規定のかぶり厚が確保できていない箇所がありました。
その場で指摘を行い、すぐに是正して頂きました。
是正後の様子です。
将来のメンテナンス性を考慮し、床に設けた「点検口」から全ての床下が点検できるように、予め基礎に「人通口」という開口を設けています。
しかし他に比べ、開口部分は基礎耐力が低下する恐れがありますので、鉄筋で補強を行っています。
その補強筋を誤った位置に施工している箇所(青線)がありました。
折角の補強もこれでは意味がありませんので、正しい位置(上写真の赤線)に是正するよう指摘しました。
是正完了後の様子です。
開口部の補強が適切に行われたことを確認しました。
このような指摘事項は、「家」という大きなカテゴリーからすると小さな事に思われがちですが、この積み重ねが5年後10年後に大きな違いとなって表れてきます。
配筋検査に合格したら、次の工程「コンクリート打設」に進みます。
写真は、打設時の外気温です。
当日の外気温は25度以上、天候は曇りでした。
◆コンクリート練り混ぜから打込み終了までの時間
外気温 25度未満 ・・・ 120分以内
外気温 25度以上 ・・・ 90分以内
◆コンクリート打ち重ね時間間隔
外気温 25度未満 ・・・ 150分以内
外気温 25度以上 ・・・ 120分以内
現場にポンプ車とアジテータ車 (コンクリートを運ぶ車)が到着し、コンクリート打設開始です。
フレッシュコンクリート(生コン)を打設する前に、ポンプ車に富調合モルタル(セメントと水のみを調合したもの)を流し、ホース内の流動性を高めます。
強度のでない富調合モルタルは基礎には打ち込まず、排出することが大切です。
前回も紹介したコンクリート打設時の基本的な手順ですが、残念ながら実践している会社は驚くほど少ないのが現状です。
アジテーター車で運んできたフレッシュコンクリートをポンプ車へ送ります。
送られたフレッシュコンクリートは、ホース先端から排出され、棒形振動機(バイブレーター)を使って振動を加え、型枠の隅々までコンクリートが充填し、密実に仕上がるようにします。
上述した時間管理は、コンクリート納品伝票で行います。
◆コンクリート練り混ぜから打込み終了までの時間
外気温 25度以上 ・・・ 90分以内
この伝票によると、アジテータ車がプラントを出発した時間が13時19分、打ち込み完了した時間が13時51分と約23分間、規定時間内であることを確認致しました。
2台目のアジテータ車が現場に到着し、打ち込みがスタートしました。
◆コンクリート打ち重ね時間間隔
外気温 25度以上 ・・・ 120分以内
1台目の打ち込みが完了した時間が13時51分、2台目の打ち込み開始時間が13時54分、約3分間とこちらも規定時間内であることを確認致しました。
2台目の伝票と打込み完了時間です。
3台目の伝票と打込み完了時間です。
4台目の伝票と打込み完了時間です。
このような手順で本日打設されたフレッシュコンクリートが全て規定時間内であったことを確認致しました。
2016年8月24日、基礎のベースコンクリートの打設が完了した様子です。