新築一戸建神戸市 レスピラーレ灘区畑原通 位置指定道路復旧工事
レスピラーレ灘区畑原通の造成工事、まずは位置指定道路(※)の復旧から行っていきます。
市役所に保管されている「道路の位置の指定申請書」の一部です。昭和27年8月31日に全長15.82M、幅員4Mの位置指定道路が設置されている事になっています。
(※)位置指定道路(建築基準法第42条1項5号)・・・土地を建築物の敷地として利用するため、道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
こちらは申請書に添付されている図面です。
確かに本件敷地南側に接する道路に間違いありません。
こちらが当時の現況写真です。
「位置指定道路」というより、「通路」といった印象です。幅員も約1.5M程度しかありません。
机上では「位置指定道路」であっても、これでは道路に接道しているとはいえません。
そこで昭和28年の申請書通りの道路形状にしていきます。
その手順は、市役所の担当課の方で「位置指定道路の復旧申請」を行い、承認後に実際に道路を復旧していきます。
左図は、現況図に位置指定道路の全長・幅員を示したものです。
復旧するためには、「位置指定提供部分」約2.5Mのセットバックが必要であることがわかります。
約1ヶ月程度の申請期間を経て、復旧工事開始です。
写真は、バックホーで道路に掛かる工作物を解体している様子です。
解体後の様子です。
位置指定道路と敷地の間に、縁石を並べました。
4Mの幅員を確保すると、見違える程に明るくなり、風の通りも良くなりました。
ここで問題発生です。
今まで工作物や樹木で隠れていましたが、隣地擁壁がかなり危険な状態であることがわかりました。
古い時代のものでしょうが、表面に多くのクラックが入り、そのクラックに水が浸入していることがわかります。
擁壁の強度を上げる鉄筋も見当たりません。
擁壁から建物の距離を考慮すると、建物の荷重を受けていることが推測できます。つまり崩壊すれば、隣地建物に甚大な被害を及ぼしてしまうことになります。
この状態で解体工事を開始するとその振動により崩壊してしまう恐れもあります。
そこで隣地所有者の方に説明し協議のうえ、最も危険と思われる箇所にCP型枠擁壁を設置しました。
雨水の排水もできるように、底部に水抜き穴も取り付けました。
既存建物があるため、あくまでも応急的な措置でありますが、これで解体の振動で崩壊する懸念を回避できました。
位置指定道路の形状が確保できた時点で、市役所の現地検査を受けました。
写真は、担当課の方が幅員を計測している様子です。
幅員を拡幅したことにより、既存の電柱が道路中央部に出てきてしまったので、電柱も移設することにしました。
電柱の移設、給排水の入替工事完了後に、仕上のコンクリートを打設しました。
明るいイメージになるように、「カラークリート」を採用しました。
こちらが、位置指定道路完了の様子です。