レスピラーレ走谷 (基礎工事 その2)
今回は、基礎立ち上がり部のコンクリート打設です。
写真は基礎立ち上がりの鋼製型枠を設置している様子です。
まずは外気温をチェック。
前回も説明しましたが、コンクリートが固まる時間は外気温によって異なるため、打設時の気温によって以下のように規定されています。
◆コンクリート練り混ぜから打込み終了までの時間
外気温 25度未満 ・・・ 120分以内
外気温 25度以上 ・・・ 90分以内
◆コンクリート打ち重ね時間間隔
外気温 25度未満 ・・・ 150分以内
外気温 25度以上 ・・・ 120分以内
今回は外気温25度以上の時間を採用します。
立ち上がりのかぶり厚(鉄筋にかぶっているコンクリートの厚みのこと)が確保されていることを確認している様子です。
鉄筋コンクリートの耐用年数に直結する「かぶり厚」は、建築基準法によって厳格に決められております。
基礎立上り部のかぶり厚は、「40mm」と定められています。
基礎幅を150mmにした事により、かぶり厚が充分に確保できています。
黄色〇で囲んでいる金物は、土台と基礎をつなぐ大切な金物『アンカーボルト』です。
阪神大震災の住宅倒壊原因のひとつに、アンカーボルトが適切に設置されておらず、基礎から土台が外れた事が挙げられます。
上述したように、アンカーボルトは基礎と土台を緊結する金物のため、基礎の中央にズレなく配置する事が大切です。
すべてのアンカーボルトが基礎中央部に設置されていることが確認できます。
施工会社によっては、コンクリート打設後にアンカーボルトを埋め込んでいく「田植え」をする業者もあります。「田植え」の方が手間も時間もかかりませんが、コンクリートが硬化するまでの限られた時間内でミスなく適切な位置に設置することは困難です。
弊社のルールでは、当然ながらリスクの高い「田植え」は行いません。
コンクリート打設時にアンカーボルトにコンクリートが付着しないように、すべてのアンカーボルト先端を養生テープで保護しています。
まずフレッシュコンクリートを打設する前に、ポンプ車に富調合モルタル(セメントと水のみを調合したもの)を流し、ホース内の流動性を高めます。
前回同様に、強度のでない富調合モルタルは基礎には打ち込まず排出します。
準備が整ったら、いよいよコンクリート打設開始です。
アジテーター車で運んできたフレッシュコンクリートをポンプ車へ送ります。
送られたフレッシュコンクリートは、ホース先端から排出され、必要な場所へ打ち込まれていきます。
打ち込まれたフレッシュコンクリートに棒形振動機(バイブレーター)を使って振動を加え、型枠の隅々までコンクリートが充填し、密実に仕上がるようにします。
時間管理は、アジテータ車 (コンクリートを運ぶ車)のコンクリート納入伝票で行います。
全てのコンクリートが規定時間内に打設が完了した事を確認しました。
2018年6月5日 基礎工事完了時の全景です。