こだわり家づくりブログを更新しました (新築一戸建 枚方市 レスピラーレ走谷D号地 基礎配筋~ベースコンリート打設工事)
レスピラーレ走谷C号地の配筋検査を行いました。
配筋検査の状況をご覧頂く前に、簡単に鉄筋コンクリートについてご紹介します。
皆さんが良くご存知の鉄筋コンクリートには、2つの大きな特徴があります。
・圧縮強度(押さえつけられる力)に強いが、引張強度(引っ張られる力)に弱いコンクリートの内部に鉄筋を配置することにより、引張強度に対しても強い構造体となります。
・錆びると強度を失う鉄筋をアルカリ性のコンクリートで包むことにより、酸化を防ぎ錆びにくい状態を保ちます。
上記のように鉄筋とコンクリートは、互いの弱点を補い合い良い状態を保つ関係になっています。
勿論、適切な施工をされてこそ、このような理想的な関係が保てるわけですから、基礎配筋の検査はとても大切です。
写真は配筋前の捨てコンと防湿シートを施工している様子です。
防湿シートは、白アリや腐食の原因となる土壌の湿気を建物へ浸入させないために設置します。
防湿シートの上に、鉄筋コンクリート造基礎の配筋をしていきます。
写真は配筋完了時の様子です。
現在、瑕疵保険検査員の方が配筋の確認を行ってくれています。
前述のとおり、アルカリ性のコンクリートで鉄筋を包むことにより、鉄筋が錆びることを防止しているため、建築基準法で鉄筋を包むコンクリートの厚みを厳密に規定しています。その厚みを『かぶり厚』と呼び、各部位によってその厚みは異なり、基礎のかぶり厚は60mmとされています。
本件では、『サイコロ』とよばれる厚さ60mmのスペーサーを鉄筋の下に敷くことにより、必要なかぶり厚を確保しています。
『サイコロ』は、1.0m程度の間隔で均等に配置していきます。
サイコロがバランスよく配置されていることが確認できました。
こちらは、ベタ基礎のスラブ部分の基礎配筋のピッチを確認している様子です。
図面に記載のとおり、縦、横とも200mmピッチで配置していることを確認しました。
同じく、スラブ部分の基礎配筋を確認しました。
こちらも図面に記載のとおり、縦、横とも200mmピッチで配置していることを確認しました。
少し見え辛いですが、立ち上がりにも専用スペーサー(通称:ドーナツ)を設置しています。
立ち上りのかぶり厚も確保できています。
将来の床下メンテナンス用に設けた「人通口」です。
鉄筋が連続しない開口部分はどうしても弱点になりやすいため、他の箇所よりも鉄筋量を増し補強していきます。
給排水管用のスリーブ部分貫通孔にも適切に補強筋を設置しています。
検査合格後、基礎ベース部分のコンクリート打設です。
コンクリート打設の際に注意しなければならない事は、打設時の外気温と天候です。 コンクリートが固まる時間は外気温によって異なるため、打設時の気温によって以下のように規定されています。
◆コンクリート練り混ぜから打込み終了までの時間
外気温 25度未満 ・・・ 120分以内
外気温 25度以上 ・・・ 90分以内
◆コンクリート打ち重ね時間間隔
外気温 25度未満 ・・・ 150分以内
外気温 25度以上 ・・・ 120分以内
コンクリートは、必要な強度を確保するためプラント(コンクリート工場)でセメント、砂、砕石、そして水を厳密に配合して出荷されます。
万一、打設中に雨が降りフレッシュコンクリート(まだ固まっていないコンクリート)に雨水(水)が加わってしまうと、各材料の割合が崩れてしまい予定している強度が得られないことになります。 天候は晴れ、外気温から25度未満の規定時間で監理します。
コンクリート打設前に不要なゴミなどを丁寧に取り除きます。
現場に1台目のアジテータ車 (コンクリートを運ぶ車)が到着しました。
写真は、強度のでない富調合モルタルを基礎には打ち込まず排出している様子です。
この作業も基本的な事ですが、遵守されていないことが多いようです。
準備が整ったら、いよいよコンクリート打設開始です。
アジテーター車で運んできたフレッシュコンクリートをポンプ車へ送ります。
送られたフレッシュコンクリートは、ホース先端から排出され、必要な場所へ打ち込まれていきます。
打ち込まれたフレッシュコンクリートに棒形振動機(バイブレーター)を使って振動を加え、型枠の隅々までコンクリートが充填し、密実に仕上がるようにします。
上述した時間管理は、アジテータ車 (コンクリートを運ぶ車)のコンクリート納入伝票で行います。
この伝票では、練り混ぜ時間が「12時18分」、打ち込み完了時間が「13時」のため、『コンクリート練り混ぜから打込み終了までの時間』に42分を要したことが確認できます。
前述した規定時間内に打ち込みが完了しました。
2台目のアジテータ車 が到着しました。
到着時刻は、13時10分です。
よって「コンクリート打ち重ね時間間隔」は、10分程度であることがわかります。
どちらも規定時間内です。
コンクリート搬入時には、このような手順で監理を行っていきます。
本件では、全てのコンクリートを規定時間内に打設することができました。
コンクリート打設後には、トンボとコテを使ってコンクリート天端を抑えている様子です。
2019年1月11日の全景です。