大阪府枚方市 K様邸(上棟~中間検査)
基礎工事完了後は、上棟に向けての準備を行っていきます。
まずは、建物周辺に足場を設置し、いよいよ大工さんの登場です。
写真は、基礎の上に土台とスタイロフォーム(床の断熱材)を設置した様子です。
スタイロフォームは隙間なく丁寧に施工されています。
基礎施工時に、設置したアンカーボルトが全て土台の中心部に入っていることが確認できます。
アンカーボルトの施工については、前回紹介しましたが、施工がいい加減ですと、アンカーボルトが土台の隅の方に来たり、叩いて無理やり捻じ曲げるなど、本来の強度が担保されにくい施工を行ってしまう可能性があります。
基礎工事を正しく丁寧に施工することの重要性がわかります。
土台敷きが終わると、上棟です。
工場から運ばれた材木を、たくさんの大工さんがクレーン車を使って組み上げていきます。
こちらは、上棟後に屋根裏に設置する御幣です。
上棟から10日程度経過後、中間検査を行いました。
中間検査では、主に構造金物が適切に設置されている事を確認致します。
どのような金物が使われているのかを簡単にご紹介します。
こちらは、羽子板ボルトです。
羽子板ボルトは、名前の通り、形状が羽子板に似ているため、このように呼ばれています。
軒桁と小屋梁の接合や胴差と横架材(梁)の接合などに用いられます。
ホールダウン金物(引き寄せ金物)です。
柱と基礎の接合のために設置されているものです。地震時に発生する柱を引き抜こうとする力に対し、抵抗するための金物です。
上の赤丸は、金物ではありませんが「火打ち材」です。
小屋組みや床組の隅角部に設置し、水平面の変形を防止するために用いられます。
下の赤丸は、短冊(たんざく)金物です。
主に胴差相互間の接合に用いられます。
壁に設置された斜材が筋交いです。
筋かいの設置された壁は、「耐力壁」とよばれています。
筋かいを設置した壁の壁倍率(壁の強さを比較するために、標準的な壁を1として、比較する壁がどのくらい強いかを表す指標)は、使用される材の厚みと本数によって異なります。
本件では、4.5×9.0の材を使用しているため、壁倍率は2.0倍、たすき掛けの場合にはその倍の4.0倍ということになります。
筋かいは、地震力や風圧力により建物にかかる水平力に対抗するために設けられる材です。
筋交いの端部は、筋交いプレート(赤丸)という専用金物で緊結します。
こちらは、「X-WALL」という鋼製筋交いです。
簡単で大雑把な表現をすると、木製の筋交いが地震力を真っ向から受け止め耐え凌ぐのに対し、「X-WALL」はバネによりしなやかに変形し地震力を受け流すようなイメージです。
耐え凌ぐよりも、受け流す方が地震力の影響を受けにくく、建物に与えるダメージも抑えることができます。
「X-WALL」がメーカーの指定する位置に適切に施工されている事を確認いたしました。
2020年5月14日の全景です。